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5歳からピアノ、7歳から作曲をはじめる。1999 年に神戸・甲陽音楽院 を卒業後、ボストン・バークリー音楽院に留学し、ジャズ作曲科、パフォーマンス科を先攻。学位を取得後には、ニューヨークを拠点に演奏活動を開始。2006 年に坂本龍一に見出され、シングル『こんにちは またあした』で日本デビューを飾る。卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描きだす女性シンガー・ソングライター。2011年4月よりベースに村田シゲ(□□□ほか)、ドラムに神谷洵平(赤い靴)を迎えソロと並行してスリーピース・バンドでも活動。2012年3月にミニ・アルバム「La mémoire de mon bandwagon」を発表。また、10月公開の映画「新しい靴を買わなくちゃ」のサントラを坂本龍一と共同制作、10月17日に坂本龍一 + コトリンゴ「新しい靴を買わなくちゃ – オリジナル・サウンドトラック」をリリース。2013年1月には待望のフルアルバム「ツバメ・ノヴェレッテ」をリリース。http://kotringo.net/

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「新しい靴を買わなくちゃ」


10月6日から公開されている、「新しい靴を買わなくちゃ」のサントラが、10月17日発売されます。
今回は6月にNYで坂本さんディレクションのもと制作させていただいて、そしてたくさん学ばせてもらってきました。

美しく切ないメインのテーマやエンディング、は坂本さんの書き下ろしで、
作品の裏(?)テーマであるモーツァルトの「メヌエットとロンド」、
そしてその他の曲は坂本さんディレクションのもと、書いてゆきました。
言うまでもなく、坂本さんの書かれた曲の深みと私の曲の軽さの差はすごいのですが(涙
私の書かせてもらった曲について、少し紹介してゆこうと思います。

ぜひ映画をご覧になった後に、音楽も楽しんでくださると嬉しいです。

M3"Chaussures Neuves" 
アオイが取材に訪れる、パリのパティスリー。そこで流れているような、ラジオや有線の歌曲を作りましょう、という事に。
フランス人の歌手の方に実際歌っていただきました。歌詞はフランス語で「新しい靴を買わなくちゃ」と歌ってくださっているそう。

M4"Champs-Elysees" 
パスポートをなくしてしまったセンとアオイが、電話で話しながら観光案内つきでホテルまでの道筋を案内する、わりと長めのシーンの音楽です。
私のいつもの癖でデモを作る段階から、クリックなしでどんどん重ねていってしまった為、後々大変な事に…。
Viniciusがパーカッションを、坂本さんがシンセストリングスを弾いてくださいました。
センのわくわく感と、歩いている感じ、それから休憩に入るところ、考えること沢山。

M5” Hotel”
豪華なホテルで流れているBGMを、実際にクィンテットで録音しました。贅沢…!
本当はこの曲、ピアノバージョンでM4の後半の休憩するところからぽこっといれていて、
まったく違うものがいきなり出てくるとおかしいなあという事でボツになりかけましたが、M5に合うのでは?!と言っていただきアレンジしなおす事に。
ホテルのシーンでは実際の天井の高い感じをリアルに音に出す為にプラグインでリバーブをかけているのですが、実際に試写で見た時、おおリアル!と自分で感激しました。

M7"Bar"
FBでもビデオをUPしてもらってましたが、アオイとセンが行くBARの場面のBGM音楽です。
そのBARにはアメリカンインディアンのような老婦人の写真がバックにあったり、
大事な会話をしているのと、大人の雰囲気を出す為に私的には苦労して何度もやり直しをしました。
なので少しテーマが決まっているBarを言う設定にして、エキゾチックな声の素材を入れ、
テンポ感もミディアムであまり騒がしくないものをというオーダーでしたが、私はしっかり始めにアップテンポのものを作っていってしまいました。。FBで少し聴けます(苦笑)。
そして坂本さんの入れてくださった打ち込みとパッドの音が加わるたび後ろでいちいち「おおお」となっていました。
M4でもそうだったのですが、シンセの音選びからそれぞれ好みがあって、今回何度も私は、教授の曲でよく聴くパッドの音だ!となりました。実際には作っている年代によって機種が違ったりしていると思うので細かくは違うと思うのですが。そしてヴォイシングも。
ドアを入るシーンから、次の着席しているシーンまでは、時間はすこし経過しているはずなので、
入った時は’わー!’と騒がしくリズムが鳴っていて、着席してるシーンになった時は曲に入って落ち着いている、その時間経過を考えて、まずは一曲作り、イントロの部分を後から別に作りました。
一人では気づけなかっただろうと思う事のひとつです。

M8"Fashion Show" 
アオイの家の地下は、ドレスデザイナーの友人のアトリエになっていて、ガーリーなアイテムが沢山。ドレスはもちろん、リボンやレースや羽根、色合いもピンク系のあったかい感じ。作業をはじめてまずこの曲から作りはじめました。ドレスを試着したアオイさんを見たセンの感激、それから最後はアオイさんの一言で雰囲気が少しぷつっと途切れる感じ。ピアノメインで、ヴァイオリン二本と、音源のチェレスタを使いました。

M9"Kitchen" 
みんなで楽しくお料理しているシーン。このシーンや他のシーンでも、始めは監督さんが参考曲を張っていってくださっていたりするのですが、
このシーンには割とパッキリとした歌ものロックポップ曲が候補にあげられていました。
キッチンシーンの後とっても素敵なカットがあるのですが、そこに盛り上がりを持っていく事に。
でも実際曲が出来て合わせた時に、坂本さんがPro Tools上でその盛り上がりポイントをちょっとずつずらして映像と合わせてみた時に、見え方が色々変わる事もとても新鮮でした。
まさにそのカットに盛り上がりを持っていくと、いかにもな感じに見えてしまう時は少し前に持っていくと、ちょっとすてきな予感もプラスされてすごく粋に見えたりもしました。
音と映像、奥が深いです。

M10"La Seine"  
少し悲しい予感のする、スズメとカンゴのシーン。ここも、別曲を作っていたのですが、このスタイルにする事に。
ギターや弦のヴォイシングも、細かくチェックしていただき(>_<)
M8とこの曲は、自分で特に気にいっていたのと、これは坂本さんがピアノを弾いてくださって、そこでまた曲がふっくらセクシーに…!
さらにはパーカッションと、ブラシの様な音のリズムも入れてくださいました。実はこの音は、ノートを手ですりすりする音なのです..!



2012-10-10 13:10:20投稿者 : kotringo